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2012年05月12日

消化管から考えるヒトの主食の歴史



 「人間の主食は?」と聞かれれば、日本人であれば「お米!!」という返事が返ってくる方が大半だと思います。そのような中で最近、炭水化物の摂取量を少なくすることで体調をコントロールすることを推奨する専門家も出てきました。今回は、身体の仕組みから「人間の身体が本来欲する主食とは・・・?」を考えてみたいと思います。

 「主食」として世界上で食べられているものを挙げてみますと、米、小麦、トウモロコシ、イモ・・・など。ほとんどが穀類といわれるものです。特徴としては炭水化物を多く含んでおり、エネルギーに変えやすいと言われていることです。
 もう一つの特徴としては、植物であるということです。しかし、人間は草食動物ではなく、肉のような動物性タンパク質も食べる雑食性を持っています。

 一般的に、ほとんどの動物は食べるものがある程度決まっており、言わゆる偏食家というのが普通です。草食動物であっても特定の種類の草しか食べないという種類の動物は少なくありません。
 それ以外の栄養素は、腸内細菌に産生してもらうことで身体のバランスを保っているということです。

 草食動物であれば、植物の主成分であるセルロースを餌とする腸内細菌がいます。その腸内細菌が、酪酸などの短鎖脂肪酸を代謝するため、その短鎖脂肪酸をエネルギーに変えています。この種の腸内細菌は、ヒトに近いゴリラやチンパンジーなどにもいるのですが、人間にはいないのです。

 セルロースというのは、言い換えれば食物繊維です。人間の栄養学で言いますと食物繊維というのは「人間が消化ができないもの」ということになります。つまり、ここで一つの疑問が生まれてくることになります。

 植物である穀物は、人間にとって本来の主食なのだろうか・・・?

 ということです。草食動物のようなセルロースの発酵タンクが無いということは、「ひょっとして、本当は人間は肉食動物?」かもしれない仮説を立てて、もう少し考えてみましょう。

 人間は、肝臓にグリコーゲンいう形で糖質を蓄えています。それ以外には、脂肪という形で色々なところに脂質を蓄えています。それぞれの貯蔵量を考えると一般成人で1,000Kcalにも満たない程度であることに対して、脂質は、普通の人での50倍以上、脂肪の多い人であればもっと多くの蓄えがあります。

 つまり、人間は脂質の方がより多くエネルギーとして蓄えられるようにできているかもしれないという考えかたが浮かんできます。ということは、「やっぱり元々は肉食?」という気がますますしてきます。

 もともと、石器時代の前の人間は、肉食動物の残した骨髄を食べていたのではという説もあります。骨髄は、タンパク質、脂質など栄養素は豊富ですが、糖質はゼロです。歯にも犬歯があるということから考えても、元々は糖質をエネルギーにしなくても大丈夫なような身体の仕組みがあるのかもしれません。

 「脳の使える唯一のエネルギーはブドウ糖である。」ということを聞いたことのある人も多いと思いますが、最近では、「長期的な飢餓状態を除いては・・・」という解釈をするべきなのでは・・・という議論も出てきているようです。

 とはいえ、味を見分けるための味蕾は、甘みを感じるところから発達し始めるということからすると、糖質は、身体にとって大切なものという考え方もできます。

 結論は、今後の研究によって色々なことが分かってくるかと思いますので、専門家に任せることにしまして、脂質=悪者という考え方を見直して、身の回りに氾濫している糖質たっぷりの食品とも少し距離を置いて自分の身体を考えるということも良いのかもしれません。
  

Posted by toyo at 15:54Comments(0)TrackBack(0)身体のしくみ

2012年05月02日

「食品表示」気にしていますか?



 私たちが、普段口にする食品には、色々なパッケージがあったり、キャッチコピーがあったり、さらには消費期限や賞味期限と様々な情報をもとにどの商品を買うかを決めています。

 生鮮食料品はともかく、加工食品などはその加工の過程で素材や調味料など様々な材料が使われていますので、買う方の消費者からすれば細かい情報も是非ほしいという方も多いと思います。これらの情報は、日本農林規格に基づいたJAS法により表示の方法などが決められています。

 特に加工食品などは、名称にはじまり、原材料名、内容量、賞味(消費)期限、保存方法など詳細に決められています。名称も単に商品名を表示すればいいのではなく一般名称で表示しなければなりませんので、細かいルールがあります。
 例えば、「牛乳」であれば生乳を殺菌したもので成分を足したり引いたりを一切していないものということになります。仮に引いたりすれば、「成分調整牛乳」や「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」ということになりますし、さらに足したりすれば、「加工乳」や「乳飲料」という名称になります。

 「牛乳」っぽいものだけとってもこれだけ複雑なので、もうすでにわけがわからなくなりそう・・・という方もおられると思います。しかし、個人的にはこの名称よりも注意深く見ていただきたいのは原材料名のところです。
 この原材料名の表示にも色々な決まりがありますが、特に覚えておいていただきたいのは「原材料に占める重量の割合の多い順に記載する。」ということです。飲料や調味料などの加工食品はこの情報だけで、商品の特性を見分けることが可能になります。

 一度、缶コーヒーを手にとって見比べていただけるとわかると思いますが、缶コーヒーの主成分は、「コーヒー」「乳製品」「砂糖」の3つでできていることが多いです。この順番の組み合わせ実に多彩です。仮に「砂糖」が最初で「コーヒー」が3番目に書いてあったとしたら、極端な言い方をすると砂糖水にコーヒーが入ったものなのかも知れません。
近年、糖質(炭水化物)を控える食事を・・・ということが言われていますけど、美味しいと感じる味にするためには糖質は欠かせないものになっていることもあり、ありとあらゆる食品に入っているので一度気にし見てみると意外に多いことに気づかされると思います。
また最近は、少量で甘みを感じる甘味料が入っているケースがあり、複雑になっていますので注意が必要です。

あと、表示の中で気にしていただきたいのが「特定保健用食品(通称:特保)」です。ここで私が言いたいのは特保のマークが付いているがどうかではなく。そこに記載されている内容です。ここには、必ず関与成分と健康効果を明示する必要がありますので、「どんなものがどのような効果を・・・」という視点で、しっかりと見ていただくと良いと思います。
 そのような見方で、見てみると同じ関与成分で異なった健康効果を表示している表品があることに気付く人もいると思います。そうです、同じものでも製造メーカー側の意向や戦略により訴求ポイントを絞り込んでいる結果このようなことが起きているのです。
 ただ、この関与成分と健康効果の関係性においては、しっかりとした臨床データを提示した上で国が認めたものであることは間違いないということになりますので、表示内容そのものは信用していただけるものだと思います。

 これからは、商品を手に取って食品表示を見ることで、ひょっとすると商品への見方が変わるかもしれません。

  

Posted by toyo at 15:32Comments(0)TrackBack(0)食べ物を選ぶ

2012年04月28日

糖尿病治療維新と腸



 2010年は多くの人たちが気にしている、生活習慣病の一つである糖尿病の治療にとって記念すべき年になったと言われています。まさに「糖尿病治療維新」とまで言われるような新しい治療法が臨床の場に登場したのです。当時、マスコミでも大きく取りあげられたのでご存知の方もおられるかもしれません。

 しかし、その薬がどんな薬かと言いますと、実は腸の働きを良くする薬なのです。

 腸は、第二の脳と呼ばれるように脳と独立したかたちでいろいろな働きをします。例えば、食べたものの量や種類を腸自身の引っ張られ具合から敏感に感じ取り、刻々と変わる情報に合わせて消化液を分泌していきます。
 さらに、腸を収縮させて先へ先へと食べ物を送っていく中で栄養素を吸収していきます。そして、血糖値が上がって行くのに合わせて絶妙のタイミングで、膵臓からのインスリンの分泌量を調節することで、血糖値を驚くほどの小さな変動範囲に収めていると言われています。

 また、膵臓はインスリンのほかに血糖値を上げるホルモンのグルカゴンも分泌します。血糖値が上がるとこのグルカゴンの分泌も減っていくのですが、糖尿病にかかっている人はこグルカゴンがだらだらと出続けてしまうというわけです。

 こうした身体のなかの臓器の連係プレーの重要なメッセンジャーがこうしたホルモンたちです。ホルモンは、それぞれの臓器でつくられて血液の中を駆け廻りながら他の臓器の働きを促したり、抑制したりする働きがあります。

 腸も、食べ物が入ってきたり吸収されたことを感じるとインクレチンというホルモンを分泌します。そのインクレチンがいろいろな臓器に指令を出すのです。
 膵臓に働きかけて、インスリンの分泌を促し、グルカゴンの分泌を抑えるのもこのインクレチンです。さらに脳に作用して食べる行動を変えたり、胃に働きかけて胃の動きの速さを遅くしたりと様々な働きをしてくれるのです。

 糖尿病の治療法の一つにインスリンを注射して直接体内に入れるという方法があります。しかし、このインクレチンの働きがしっかりしていれば、膵臓が腸が感じ取った情報をもとにインスリンを出す必要のある時に分泌する力を発揮するだけではなく、血糖値を上げる作用をするグルカゴンを抑えたり総合的に自身の身体の機能で血糖値のコントロールができるようになるというわけなのです。

 このインクレチンこそ、腸の働きを良くする薬というわけです。現在は、インクレチン関連薬剤が糖尿病治療薬として成果も納めてきているようです。

 つまり、腸を鍛えて腸の働きがしっかりしていれば生活習慣病の予防にもなるとともに、身体の中で大変重要な役割をしているということにもなります。
  

Posted by toyo at 14:23Comments(0)TrackBack(0)身体のしくみ

2012年04月21日

おやつの時間は何時?



 「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂・・・」のフレーズ、聞いたことのある人は多いと思います。このおやつという言葉は八刻(やつとき)から来ていて1日1回、八つどきの午後2時から3時ごろに食べるのが元々の習慣だったようです。

 この1日1回のおやつ・・・今ではどうなっているでしょうか?
最近のコンビニでは有名洋菓子店顔負けのスィーツが、店頭の一番目立つ所に勢ぞろいしてこちらを誘惑しているように見える・・・と思うのは私だけではないと思います。

 このおやつの嗜好が昔と思うと大きく変化してきたと言う人たちが多くいます。どのように変化したかといいますと、「甘い」というキーワードはかわっていませんが、おなかの持ちの良いものから、食べやすい軽いものを好むようになってきたことにより、二度・三度・・さらには夕食後の寝る前に・・・というのが現状のようです。

 小中学生を対象にした調査によると、そのトップが、スナック菓子で31%、続いて洋菓子17%・・・という結果が出ています。

 その一方で、ここ数年話題になっているのが学校給食の残食率です。2005年の調査によれば「いつも残さず食べる」という子がわずか31%、「良く残す」という子が17%、「時々の残す」の約半数を入れると約7割の子がなんだかの形で給食を残しているという結果が出ています。

 これは、給食の味が落ちたわけではないと思います、私の知るところによれば、残食率をあまりにも気にする結果、給食自体が「おやつ」のようになっているのでは思われるメニューもありますが、地元や諸外国の郷土料理をメニューに取り入れたり、かなり努力と工夫もされているような気がします。

 つまり、1日1回のおやつから1日数回の間食になりお腹が減らないということが一番の原因なのでは・・ということなのではと思います。最近の糖尿病をはじめとする生活習慣病の低年齢化も間食の外遊びをしなくなったことと、間食の影響を考えざる得ないという現状もあります。

 「お腹に優しい食べ物」言われるものは言い換えると、消化吸収が早く腹もちが悪い。さらにGI値が高く血糖値も急激に上がりやすいということになります。消化吸収がしやすいということになりますと、消化吸収に要するエネルギー消費も低く抑えられるためにさ差し引きのカロリーが身体の中に溜まりやすくなるというわけなので、食べるものも考えなければいけないのかもしれません。

 食育基本法制定以来、これらの問題を改善するために「早寝運動」ということが言われています。文部科学省の調査によると、早寝をして朝ごはんをしっかり食べる子供のほうが、国語と算数の成績が良いという結果も出ているようです。
 早寝というのは、具体的に何時かというとシングルエイジの4年生までは9時、5,6年生は10時、中学生は11時までに就寝することを目標に掲げています。また、夕食の時間が遅くなればなるほど食べる量が増えてしまうということも言われています。

最近は、塾や習い事があって目標到達が難しい子たちも多いかもしれませんが長い目で見たときにどちらの方が成果が出るかは考えても良いかもしれません。

子供だけでなく、もちろん大人の方たちもです・・・。
  

Posted by toyo at 15:17Comments(0)TrackBack(0)食べ物を選ぶ

2012年04月14日

下痢と便秘どちらが怖い



 以前から、便というのは体調のバロメーターであり、言い換えれば「身体のお便り」であるということを申し上げていますが、その中でも「悪いお便り」の双璧が便秘と下痢という症状です。

 この二つのわかりやすい違いは便に含まれる水分の量です。便というのは通常80%が水分で後の20%が食べ物の残りかすや、死滅した腸内細菌、剥がれおちた消化器官の粘膜などなのです。ほとんど物を食べなくても、便が出るというのは便の主成分が腸内細菌や剥がれおちた粘膜だからというわけです。

 下痢と便秘のそれぞれの水分量は、下痢が90%以上で便秘が70%以下といわれています。こうしてみると、大した違いではないと感じる方もおられるかもしれませんが、身体の中では大きな違いになってくるというわけです。

 一般的に、便をつくる臓器は大腸です。腸の中の水分の濃度や量を調整しながら排せつのしやすい状態に整えていくわけですが、便のもとになる物質が大腸の中に長い時間滞留すると水分が少なくなり、通常より早く出て行ってしまうと下痢になるというわけです。

 実は、この大腸の中の滞留時間が大切で、必要以上に滞留時間が長い場合は腸内で食べ物のカスを中心に腐敗が始まることがあります。いわゆる「臭いオナラ」の主たる原因はこの腐敗です。
 もうひとつ、腐敗が始まった状態でも大腸は当然のように機能し続けます。ということは、腐敗によって発生する有毒な物質も一緒に吸収してしまい、さらには全身にばらまいてしまうということにも繋がっていきます。良く「便秘で肌荒れに・・・」ということの原因のほとんどがこれにあたります。

 逆に滞留時間が短くなるということは、以前にも言いましたように腸自身が「体内にあってはいけないもの」と判断して一刻も早く身体の外に出そうとする反応になります。また、腸に届く以前に反応し、口に向けて逆流させて外にだそうとする反応が「嘔吐」ということになります。

 ですから、下痢の症状のほとんどは微生物やウィルス性の感染症に対しての反応であることが多いのです。昭和初期のように死亡原因のほとんどが感染症であった時代には、下痢というのは死に至らしめる症状として非常に怖がられましたけど、最近では良い治療法も確立され以前のように心配するようなことではなくなってきているようです。

 逆に、便秘の場合はガンなどの重篤な病気が隠れている場合もありますので現代の医療従事者にとっては怖いものという認識の方が多いようです。
 
 どちらにしても「快眠、快食、快便」が一番ですが・・・それぞれの症状の違いを理解した上で、毎日の「身体のお便りチェック」をしてみたらいかがでしょうか・・・?
  

Posted by toyo at 14:57Comments(0)TrackBack(0)身体のしくみ

2012年04月06日

「江戸患い」と沢庵



 「江戸患い」という言葉をご存じでしょうか・・・江戸時代に、江戸に長期滞在すると身体がギクシャク動くようになって、重症になった場合には死んでしまうといわれていたそうです。この症状は、現代では栄養素に対する研究が進んできたためにほとんど見られなくなったと言われる“脚気”の事だったようです。

 この脚気という病気、何故江戸時代の流行り病になったのでしょうか?

 ご存じの方も多いと思いますが、脚気というのはビタミンB1の不足によって起きるといわれてます。特定の栄養素の不足ということになれば、当然、日頃の食生活に密接に関係しています。江戸時代というのは地方や農民は玄米食が中心でしたが、江戸では玄米を精米して、ぬかを取り除いた白米を食べるようになっていたそうです。
 ぬかは玄米の約1割を占め、この中には籾が発芽するための必要なビタミン類、ミネラル類、食物繊維などの栄養素が多く含まれています。中でもビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない物質としても知られています。

 一説によりますと、尾張も江戸と同じように当時から、白米を食べていたといわれていますが、江戸などの栄えた地域では、白米を食べて、副食が少なかったというのが「江戸患い」の真相のようです。
 また、明治時代に入ってからは白米を食べる習慣が一般化し、脚気で年間1万人から2万人もの死者が出たともいわれています。この頃はまだ脚気の原因がビタミンB1不足だとは知らず、脚気を「伝染病」と考える医者も多かったようです。

 また、沢庵の歴史も江戸時代だといわれています。諸説ありますが、徳川家光が、東海寺の沢庵住職の「たくわえ漬け」称した大根の糠漬けを、「今日からは、沢庵漬けと名付けよ」と言ったことに始まったという話は有名な話です。

 1910年に鈴木梅太郎氏によってビタミンB1を米ぬかから発見ましたが、それより約300年以上前から誕生した沢庵は、保存食である一方、糠に含まれる栄養分を大根に吸収させ、その上乳酸菌を主体とした発酵によって健康成分を補う優秀な栄養補助食品でもあったのです。

 ところで、脚気という病気・・・最近では過去のものでは無いそうで、インスタント食中心の食生活をしている人たちに予備軍になっている人も多いといわれています。
ビタミンB1は、水溶性で水に溶けやすいために不足しがちになる一方、清涼飲料水やインスタント食品、アルコールなどに多く含まれる糖質を分解するには、ビタミンB1が必要不可欠です。そのためこれらの食品を大量にとりすぎると、分解にビタミンB1が使われて体内で不足し、食欲不振や全身の倦怠感につながってしまいます。

 昔の病気・・・と侮らず、色々な角度で食生活を見直すと良いかもしれません。
  

Posted by toyo at 10:27Comments(0)TrackBack(0)食の文化

2012年03月31日

マラソンランナーは腎臓力



 「マラソンランナーの強さは、心肺機能や脚筋力よりも最終的には腎臓力だよ。」・・・この言葉は、野口みずきさんを育てた元監督の藤田信之氏の言葉だそうです。もちろんこの言葉は、楽しむために走るジョガーに対してではなく、勝つために走る競技者に対する言葉だとは思いますが、一定の時間走るという行為が身体にどのような影響を与えるかという視点で考えれば同じなのかもしれません。

 増田明美さんがエッセイで紹介していましたが、競技者は不健康と言わざるを得ない状況だといいます。マラソン選手の場合、1日約40kmを走りこみ、レースとなると身体を限界まで追い込みます。筋肉や骨だけでなく、腎臓をはじめする内臓も疲弊してしまうそうです。

 特に腎臓は、老廃物を濾し取ったり、体内の水分調整を、骨を強くする活性型ビタミンDの生成を行うところです。特にレース中のスペシャルドリンクと言われる自分の身体にあわせた、水分や栄養補給が結果の鍵を握るというような状況もよく目にすることがあるのはこういうことなのかもしません。いうならば、腎臓の機能が落ちれば、走りたくでも走れないということになってしまうそうです。

 マラソンなどの長距離の競技では、大量の汗をかきますがその時に、ナトリウムも同時に排出してしまいます。当然、身体はこれを保とうとするわけですが実は、この「水分の保持」と「ナトリウムの濃度の維持」というのはお互いに衝突しあってしまい身体の中では云うほど簡単なことではないということらしいのです。
 
 汗をかいて脱水すると、頸動脈にあるセンサーが血圧の低下を感知し、色々な防御機能が始動します。その一つが、腎臓に「体内に水を保持せよ」と命令を下すことです。その結果、排尿の量が少なくなり尿は濃縮されるというわけです。
 また、発汗により口が渇くので水を飲みます。しかし、腎臓には体内に水を保持するための命令がされていますので、飲んだ水は身体の中に保持されてしまします。その結果、さらなる低ナトリウム状態になってしまいます。つまり、身体には相反する矛盾の状態が出来上がってしまい、再び腎臓には、水の排出量が促進する命令が下されます。
 その結果血液が濃縮されますので、低ナトリウム状態は改善されますが、血液中の水が尿として排泄されたため再び低血圧を引き起こすという「低血圧→口渇→水を飲む→ナトリウムの低下→低血圧」の連鎖状態に陥ってしまうのです。この連鎖状態が続き、汗で失われるナトリウムの量が一定量を超えたところで吐き気、痙攣、意識障害などの低ナトリウム症を引き起こすことになるとともに、腎臓を始め身体にも大きな負担をかけてしまうということになるのです。
 
 近年、ランニングをする人が急増しているようです。私の周りにも大会に参加したりという人がいますが、身体の仕組みを良く理解したうえで、楽しく走るための工夫が必要なのだと思います。
 一つは、血圧が下がるような状態になる前に早めに水分補給をすることと、水分と一緒にナトリウムを補給するだと思います。どのくらいナトリウムを補給すれば良いかと言いますと人によって汗の中の含有量などが異なるために一概には言えないというのが現実なようで、トップアスリートがそれぞれのスペシャルドリンクを愛用しているというのもそういう理由からなのだとすると、納得という気がします。

どんなことも、自分の身体を良く理解してほどほど・・・ということが大切なのかも知れません
  
タグ :血圧身体

Posted by toyo at 12:07Comments(0)TrackBack(0)身体のしくみ

2012年03月24日

メタボは腸の勘違いから



 メタボリックシンドロームは、別名内臓脂肪症候群とも言われていますが、この内臓脂肪がなぜ、いけないのでしょうか・・・?

 このことに関する完全な回答というのは出ていないそうですが、慶応大学医学部腎臓内分泌代謝内科の伊藤裕教授は、内臓脂肪を「腸のお隣さん」という言葉で説明してます。腸は常に外敵の脅威にさらされている一方で、腸を養う血管や腸が吸収した栄養を送る門脈というハイウェイや腸を守るリンパ管が周りを覆っています。
 また、内臓脂肪は消化管の周りについた脂肪のことですので、門脈やリンパ管は内臓脂肪の中に埋もれている状態になります。

 生物が、歯をもつようになってから2つのものを得たと言われています。その1つは「胃」です。歯を使って食べ物を噛み砕く事が出来るようになったために、栄養価の高いものを一度にたくさん食べることができるようになりました。そのためにたくさん食べた物を一時的にためておく臓器としての「胃」が必要になったのです。
 2つ目は、抗体を作り出すリンパ球です。色々なものを食べるようになると、その食べ物と一緒に、いわゆる「得体の知れないもの」が一緒に腸の中にやってきます。この「得体の知れないもの」に対抗するのが獲得免疫です。

 以前にも紹介したように、免疫は、自然免疫と獲得免疫の二種類あり、自然免疫は生まれながらに身体に備わっているオールラウンドプレーヤーですが強烈な攻撃力はありません。しかし、獲得免疫は生まれた後に起こった様々な「苦い経験」をもとに、その「苦い経験」をしないために相手に合わせた特有の攻撃力を持った特殊部隊のようなものです。良く聞く「抗体」というのはこの特殊部隊が保有する武器のようなものです。

 どちらが先かはわたりませんが、どうも人間の身体は、コレステロールを「得体の知れないもの」と認識するようにできているようで、本物の「得体の知れないもの」である、細菌の身体も、コレステロールを同じ脂肪の仲間がたくさん含まれているために、身体の中に侵入すると自然免疫を活性化するスイッチが入るような仕組みになっています。

 つまり、逆もありということで、食べ物の中に含まれる脂肪の量が多いと「得体の知れないもの」と勘違いしてしまい免疫が必要以上に活性化されてしまうということになります。その結果、リンパ管の周りにまとわりついた内臓脂肪に炎症がおこり血圧や血糖値の上昇など生活習慣病の症状が起こりやすくなる・・・すなわち、メタボリックシンドロームの症状が起きる・・・というわけなのです。

 昔から、「腹八分目で、医者いらず」と言いますが、食べすぎが身体に良くないというのはこういう理由からのようです。単純に脂肪分だけ減らせば・・・ということだけでなく、炭水化物などの糖質も周り回って、体内に脂肪として蓄えられるような仕組みになっています。しかも、消化吸収のしやすさからすると脂質よりも早く蓄積しやすいということもありますので、全体のバランスが常に必要なようです・・・。
  

Posted by toyo at 12:05Comments(0)TrackBack(0)身体のしくみ

2012年03月16日

脱草食系には、男性ホルモンの活性化を・・・



 男性ホルモンは、筋肉や骨をたくましくしたり性機能に大きくかかわっている事は皆さんもよくご存じの方は多いと思います。このホルモンは、それだけでなくものの考え方にも大きくかかわっているということも言われています。

 男性ホルモンは、「冒険のホルモン」として、旅や新しいことへのチャレンジを促したり、「社会性のホルモン」として、仲間、家族、他人との係わり、古くは縄張りを守るための本能をつかさどったり、「競争のホルモン」スポーツ、仕事への達成感を求めたり、逆にギャンブルに傾倒しやすかったり、というような役割もしているといわれています。

 男性の場合、胎児の時から生後半年にかけて、男性ホルモンが大脳に作用し、性格や思考、物事の捉え方の形成に影響を与えるとされています。男性ホルモンの95%はテストステロンという物質で、以前にも紹介しましたが、薬指が人差し指より長い人はこのテストステロンレベルが高いといわれています。

 帝京大学医学部主任教授の堀江重郎氏によると、このテストステロンなどの男性ホルモンは精巣で作られるのですが、女性の場合も卵巣で作られ、さらに女性ホルモンの量より10倍くらい多いといわれています。更年期を迎えた女性は、女性ホルモンが激減しますが男性ホルモンはそれほど減りません。そのために次第に「冒険」「競争」のホルモンが顔を出し始め、いわゆる男性脳と言われるような思考になっていきます。
 更年期を過ぎた女性が、良く外出や旅行をするようになったり、韓流スターの追っかけというのもこのホルモンの効果?とも考えることができます。

 この男性ホルモン、ここ5年程の研究によって、造血作用や、動脈硬化を防いだり、認知能力や判断能力に関係したり、さらには内臓脂肪を抑える働きがあることもわかってきました。また、男性ホルモンの多くを占めるテストステロンは、ストレスや危険を感じて交感神経が優位になると数値が下がってしまうということもわかってきました。

 現代の男性が、草食系と言われる原因の1つが「ストレス社会」と言われるいまの現況を表しているのかもしれません。男性も女性ももう一度、男性ホルモンを活性化して、日頃の生活を楽しんでみませんか・・・
 堀江重郎教授の推奨する「男性ホルモン値を上げる10カ条」を参考にして実践してみてください。

1、 男性ホルモンの大敵、交感神経の緊張を和らげよう
2、 積極的にリラックスして、副交感神経を活性化しよう
3、 卵、肉、魚、豆類、種子類を摂り、腹八分目を
4、 忙しい時も、短時間のエクササイズを
5、 良い睡眠をとろう
6、 仲間を大切に
7、 無理して、おしゃれしよう
8、 凝り性になろう
9、 大声で笑おう
10、 目標をもとう 冒険しよう わくわくしよう!!

  

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2012年03月09日

生食は太りにくい?



 自分の身体の、エネルギーの出入りを考えたときに食事以外のエネルギーの補給というのは殆どありません。それに対して補給したエネルギーをどのくらい消費するかというのが、たぶん皆さまの興味のあるところだと思います。

 皆さんもご存じのとおり、食べ物は車のガソリンのようにタンクにあらかじめ補給してエンジンで効率よく運動エネルギーに変換するというものではありません。消化吸収という過程を経て生きていくためのエネルギーを蓄えるわけです。

 つまり、その消化吸収をする過程においても、当然エネルギーを消費するというわけです。昔から、「食べた後はついつい眠くなってしまう・・・」という経験を誰もが持っていると思います。その大きな理由は食べ物の消化を促進するために消化器官に血液が集中し、その結果、脳の血液が不足しがちになるからです。
 真偽のほどは確かではありませんが、以前、食後すぐの入浴は消化に良くないという話を聞いたことがあります。これもせっかく消化器官に集まった血液が入浴効果によって分散されてしまうという話だったような気がします。今考えると血液の循環が良くなることで、より消化器官に血液が流れ易くなるということのあるような気もしますが、どちらにしても、余韻を一緒に食事をした人と楽しむということの方が作ってくれた人へのマナーとしては良いような気もします。

 消化器官の血流の話をしましたが、消化器官は身体の中で一番血液を必要とする器官で、全体の30%、その次が腎臓で20%、3番目は脳と骨格筋でそれぞれ15%と言われています。このことは、人間にとって消化、排泄、排尿という行為がどれほど大切で、且つ負担が大きく難しいことなのかということが言えると思います。

 つまり、食べて消化吸収するということはある意味、身体に負荷をかけているということになるのです。一般的にはものを食べているときにはエネルギーの使用量が最大25%ほど上昇するといわれています。食事中、汗をかく人がいることや、それほどでないにしても身体が暖かくなるというのは分かるような気がします。

 人間の消化器官は、他の哺乳動物と比べると胃の大きさは3分の1、大腸は60%なのに対して小腸の大きさはほぼ同じくらいと言われています。その理由は諸説あるようですが、人間は「調理するから」と言われています。調理をするということは、こまかく食べやすくしたり、加熱することによって消化しやすくするということにもつながります。
 炭水化物である小麦は、こまかく挽けば挽くほど、タンパク質を豊富に含む肉類は叩いて柔らかくするほど吸収が良くなります。つまり、同じカロリーでも食べ物の状態によって消化吸収するためのエネルギー量が多くなるために全体のエネルギー収支としては消費量がそれだけ増えて差引としてのエネルギー量が少なくなるということにもなります。
加工食品中心の食生活になってくると甘くて柔らかい・・・という傾向が強くなりますので、ますます同じカロリーでも消費量が少ないということになるのです。

 実際に、生で食べるのと、調理したものを食べるのとでは体重が増えにくいという結果も報告されています。ただ、生と言っても食中毒の原因となるようなウィルスや微生物を一緒に体内に入れてしまうリスクもありますし、その一方で、果物などは特にそうですが、加工しない事によってミネラル類や酵素など多くの微量元素を取り入れることも可能になります。

 どちらが良いかというのは、それぞれの身体との相談になると思いますが、試してみるのも良いかもしれません。
  

Posted by toyo at 11:19Comments(0)TrackBack(0)身体のしくみ